第4話 あれから19年

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こんにちは、吉田ウメです。

上の写真は、今は亡き、ぼくの両親です。

 

右が父の吉田ちび、左が母の吉田たまです。

真ん中が、約19年前のぼくです。

 

両親にとって、はじめての子供でした。

写真の上の方に、父の、

うれしそうにピンと上がった尾が見えます。

 

翌年に生まれた2頭の兄弟たちは、

線香花火が消える様に、

生まれてすぐに命を落としました。

 

兄弟たちが埋葬された後も、

母のたまちゃんは、大きな声で泣きながら、

家中を探しまわっていました。

とてもかわいそうな鳴き声でした。

 

ぼくは、ふと思いついて、

たまちゃんが赤ちゃんたちを育てていた

段ボール箱の中に、そっと入ってみました。

すると、たまちゃんは、ハッとして、

すでに大きくなっていたぼくを、

まるで赤ちゃんにするように、なめ始めました。

 

だからぼくは、亡くなった兄弟たちの分まで、

可愛がられたといえます。

しかも、人間の年にすれば80歳くらいになるまで、

お母さんと一緒に暮せました。

そして、いろいろな病気に遭遇しても、

動物病院の方々のお力添えと、幸運により、

今日も元気に過ごせます。

 

ぼくには子供がいません。

でも、妹のななちゃんや人間の家族がいます。

血はつながっていませんが、みんな仲良しです。

 

小さかったぼくが、いつの間にか、

家族の『精神的支柱』と呼ばれる様になりました。

そういう訳で、今日もゆっくり頑張ります。

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