こんにちは、吉田ウメです。
ぼくの妹、ななちゃんは、植物が好きです。
東京の街中で捨てられていたななちゃん。
道端の草木を思い出すのでしょうか、
植物は、ななちゃんの大切な友達です。
数年前、マンションの外壁大規模修繕工事で、
ベランダにあるものすべてを
室内に移動する必要が生じました。
ななちゃんは大喜び!
ベランダにいた「緑のお友達」が、
大挙して室内にやって来たのですから。
ななちゃんと植物との会話が
聞こえてくるようでした。
ところが!
作業する方々に室内を見られたら
ぼく達が緊張するだろう、と考えた人間の家族は
カーテンを閉めっぱなしにしたのです。
・・・数ヶ月にわたって!
植物は、少しずつ茶色くなって行きました。
日光が絶対的に足りなかったようです。
ななちゃんは悲しみました。
いきいきしていた友達が、
ひとり、またひとりと倒れて行くのを
なすすべもなく、見守るしかなかったのです。
数ヵ月後、工事が終わって
ベランダから足場が撤去された頃には、
「緑のお友達」はわずか数人になっていました。
落胆して元気をなくしていた
ななちゃんのために、家族は、
2メートル近くあるオリーブの木を購入しました。
玄関から入って来たオリーブの木を見て、
ななちゃんは狂喜乱舞!
ガラガラになったベランダで
風に揺れるオリーブの木が、
ななちゃんを励ましてくれました。
そんな経験をしたせいでしょうか、
ななちゃんは、
ますます植物が好きになったようです。