第36話 ななちゃんのおもてなし

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こんにちは、吉田ウメです。

今日は、お客様をおむかえする楽しい一日でした。

 

ぼくの妹・ななちゃんは、張り切って、おもてなしの準備に余念がありませんでした。

 

でも、いざ、お客様が到着されると、恥ずかしいのか、押し入れに入ったきり、一日中出てきませんでした。

ぼくは、困ったなと思いました。

 

でも、これには理由があります。

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ななちゃんは、生まれてすぐに、猫のお母さんから離されて、冷たい道路に捨てられていました。

泣きながら街をさまよう内に病気になり、片方の目がほとんど見えなくなりました。

 

その時、親切なお姉さんがななちゃんを救って、「残念だけど自分は育てられないから」と動物病院に連れて行ってくれました。

 

泣きながらさまよっていた間によほど怖い目にあったのか、つい、人々から隠れるようになってしまいました。

 

でも、ぼくたちの人間の母に出会った時、どういう訳か、「この人が新しいお母さんだ」とでも考えたのでしょうか、しっかりと母にすがりついたそうです。

それ以来、ぼくたちの家族の一員になりました。

 

だから、ぼくは、ななちゃんがお客様を見て驚いて隠れても、注意せずにいます。